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サーバークラウド化にはどれくらいかかる?初期費用・運用コストの完全ガイドColumn

会社のシステムを「クラウド化」という言葉をよく耳にするけれど、実際にどれくらいの費用がかかるのか分からない。そんな悩みを抱えている企業の担当者は少なくありません。従来のように会社内にサーバーを置く方法と、インターネット上のサービスを活用する方法のどちらが良いのか、判断材料が不足していることが多いのが現状です。

この記事では、サーバーのクラウド化にかかる初期費用と毎月の運用コストについて、具体的な金額や内訳を交えながら分かりやすく解説します。

サーバークラウド化とは何をすること?

サーバークラウド化について説明する前に、まずは基本的な用語を整理しましょう。現在多くの会社では、データを保存したりシステムを動かしたりするための「サーバー」という機械を、自社のオフィス内に設置しています。これを「オンプレミス」と呼びます。

一方、クラウド化とは、このサーバーをインターネット上のサービスに移すことを指します。例えるなら、自宅に本棚を置いて本を保管するのがオンプレミス、図書館を利用するのがクラウドのようなイメージです。

従来の方法(オンプレミス)の特徴

オンプレミスでは、会社が直接サーバーという機械を購入し、自社内に設置して管理します。サーバーの購入から設置、日々のメンテナンスまで、すべて自社で行う必要があります。

この方法のメリットは、システムを完全に自社でコントロールできることです。しかし、初期投資が大きく、専門知識を持った人材も必要になります。

クラウド化のメリットとは

クラウド化では、インターネット上でサーバーの機能を借りることができます。これにより、高額なサーバー機器を購入する必要がなくなり、メンテナンスも専門業者が行ってくれます。

特に中小企業にとって、専門的な知識や人材が不要で、必要な分だけサービスを利用できるため、非常に効率的な選択肢となっています。また、データのバックアップや災害対策も自動で行われるため、安心して業務に集中できます。

どんな会社がクラウド化を検討すべきか

クラウド化が適している会社の特徴をご紹介します。まず、IT専門スタッフが社内にいない、または少ない会社です。また、急成長中でシステムの拡張が頻繁に必要な会社も、クラウドの柔軟性を活用できます。

さらに、リモートワークを推進したい会社や、複数の拠点でデータを共有したい会社にも、クラウド化は大きなメリットをもたらします。

サーバークラウド化の初期費用

クラウド化を始める際に必要な初期費用について、具体的な項目と金額の目安をご説明します。多くの企業が気になるのは「最初にどれくらいのお金が必要なのか」という点でしょう。

初期費用は主に、現在のシステムをクラウドに移すための作業費用と、新しい環境を整備するための費用に分かれます。

システム設計・構築費用

クラウド化の第一歩は、現在のシステムをどのようにクラウド環境に移すかを設計することです。この設計費用は、システムの規模や複雑さによって大きく変わります。

小規模な会社(従業員10-30名程度)の場合、設計・構築費用は30万円から150万円程度が相場となっています。中規模な会社(従業員50-100名程度)では、100万円から400万円程度を見込んでおく必要があります。

データ移行作業の費用

現在使用しているデータをクラウドに移す作業も重要な費用項目です。データの量や種類、移行の複雑さによって費用が決まります。

一般的なオフィス文書や顧客データの移行であれば、20万円から80万円程度で実施できることが多いですが、特殊なシステムや大量のデータがある場合は、それ以上の費用がかかる可能性があります。

専門業者によるサポート費用

クラウド化は専門的な知識が必要な作業のため、多くの会社では外部の専門業者に依頼します。この際のコンサルティング費用やサポート費用も初期投資として考慮する必要があります。

専門業者のサポート費用は、プロジェクトの期間や規模によって異なりますが、月額10万円から50万円程度が一般的です。通常、クラウド化のプロジェクトは3-6ヶ月程度で完了するため、トータルで30万円から300万円程度を見込んでおくと良いでしょう。

研修・教育費用

新しいクラウドシステムを使いこなすために、社員への研修も必要になります。この研修費用は、参加人数や研修期間によって変わります。

管理者向けの専門研修の場合は、1人あたり10万円程度が相場です。

月々発生する運用コストの相場

クラウド化後に毎月発生する運用コストについて詳しく解説します。これらの費用は継続的に発生するため、長期的な予算計画を立てる上で非常に重要な要素となります。

運用コストは主に、クラウドサービスの利用料金と、システムの監視・保守にかかる費用に分かれます。

クラウドサービスの基本利用料金

クラウドサービスの利用料金は、使用するサーバーの性能や容量によって決まります。まるで電気料金のように、使った分だけ支払う仕組みが一般的です。

小規模な会社の場合、月額5,000円から30,000円程度でクラウドサーバーを利用できます。中規模な会社では、月額30,000円から100,000円程度が相場となっていますが、大規模な会社の場合は高性能なサーバーが求められることも多く、費用が膨らむケースが多いです。

セキュリティ対策にかかる費用

クラウド環境では、インターネットを通じてシステムにアクセスするため、セキュリティ対策が非常に重要です。基本的なセキュリティ機能はクラウドサービスに含まれていることが多いですが、より高度な対策が必要な場合は追加費用がかかります。

一般的なセキュリティ対策の追加費用は月額10,000円からと様々ですが、業界や扱うデータの性質によってさらに高度なセキュリティが必要な場合もあり、その場合は追加費用が発生するケースが多いです。

システム監視・保守費用

クラウドシステムが正常に動作しているかを監視し、問題が発生した際に対応する保守サービスも重要な費用項目です。24時間365日の監視体制を整えている業者が多く、安心してシステムを利用できます。

システム監視・保守費用は、月額20,000円から100,000円程度が相場となっています。この費用には、システムの健康状態チェック、定期的なアップデート、トラブル時の緊急対応などが含まれます。

バックアップ・災害対策費用

大切なデータを守るためのバックアップや、災害時にシステムを復旧するための対策も必要です。多くのクラウドサービスでは基本的なバックアップ機能が提供されていますが、より確実な保護が必要な場合は追加のサービスを利用します。

バックアップや災害対策の追加費用は、データの量や復旧時間の要求によって費用が変動します。

オンプレミスとクラウドの総合的なコスト比較

従来の方法(オンプレミス)とクラウド化のコストを総合的に比較してみましょう。単純に月額料金だけを比較するのではなく、長期間での総費用を考慮することが重要です。

この比較により、どちらの方法が自社にとって経済的にメリットがあるかを判断できます。

オンプレミスの総費用

オンプレミスでは、最初にサーバー機器を購入する必要があります。小規模なシステムでも100万円から300万円、中規模では300万円から1,000万円程度の初期投資が必要です。

さらに、毎月の電気代、エアコン代、保守費用、そして何より専門スタッフの人件費がかかります。これらの運用費用を合計すると、月額30万円から100万円以上になることも珍しくありません。

クラウドの総費用

クラウドの場合、初期費用は50万円から500万円程度で、オンプレミスより少額で始められます。月額の運用費用も、小規模であれば5万円から15万円程度で済むことが多いです。

また、サーバーの故障や老朽化による突然の出費がないため、予算計画が立てやすいというメリットもあります。

5年間の総費用比較表

項目 オンプレミス クラウド
初期費用 300万円~1,000万円 50万円~500万円
月額運用費 30万円~100万円 5万円~15万円
5年間総費用 2,100万円~7,000万円 350万円~1,400万円

この表から分かるように、長期的に見るとクラウドの方が大幅にコストを削減できる可能性が高いです。特に、IT専門スタッフの人件費を考慮すると、その差はさらに大きくなります。

コスト削減のポイント

クラウド化を成功させ、コストを効果的に削減するためのポイントをご紹介します。また、見落としがちな費用や注意点についても解説しますので、予期しない追加費用を避けることができます。

適切な計画と業者選定により、予算内でクラウド化を実現できます。

適切なプランの選び方

クラウドサービスには様々なプランがあり、会社の規模や用途に応じて最適なものを選ぶことが重要です。最初は小さなプランから始めて、必要に応じて段階的に拡張していくアプローチがおすすめです。

多くのクラウドサービスでは、実際の使用量に応じて料金が決まるため、過剰なスペックを選ばないことで大幅なコスト削減が可能です。専門業者と相談しながら、自社の本当のニーズを把握することが大切です。

段階的な移行でリスクを軽減

すべてのシステムを一度にクラウド化するのではなく、重要度の低いシステムから段階的に移行することで、リスクとコストの両方を抑制できます。この方法により、問題が発生した場合の影響を最小限に抑えることができます。

最初にファイル共有やメールシステムから始めて、慣れてきたら基幹システムを移行するという順序が一般的です。

見落としがちな追加費用

クラウド化の際に見落としがちな費用項目があります。例えば、インターネット回線の強化費用です。クラウドを快適に利用するためには、安定した高速インターネット回線が必要になる場合があります。

また、既存システムとの連携費用も考慮する必要があります。完全にクラウド化できないシステムとの連携作業により、予想以上の費用がかかることがあります。事前に現在のシステム構成を詳しく調査し、連携の必要性を確認しておくことが重要です。

長期契約での割引活用

多くのクラウドサービスでは、長期契約により大幅な割引を受けることができます。1年契約で10-20%、3年契約で20-30%程度の割引が一般的です。

ただし、長期契約を結ぶ前に、サービスの内容や業者の信頼性を十分に確認することが大切です。短期間のお試し利用を通じて、自社のニーズに合っているかを検証してから長期契約を検討しましょう。

業者を選ぶ前に知っておきたいポイント

クラウド化を成功させるためには、信頼できる専門業者の選定が不可欠です。価格だけでなく、過去の実績、サポート体制、緊急時の対応能力などを総合的に評価することが重要です。

複数の業者から見積もりを取り、提案内容を比較検討することをおすすめします。また、同じ業界での導入実績がある業者を選ぶことで、業務に特化したアドバイスを受けることができます。

まとめ

サーバークラウド化の費用について、初期費用から運用コストまで詳しく解説しました。小規模な会社であれば初期費用50万円から200万円程度、月額運用費5万円から15万円程度で始めることができ、従来の方法と比較して大幅なコスト削減が期待できます。

クラウド化は単なるコスト削減だけでなく、専門スタッフ不要、災害対策の自動化、システムの柔軟な拡張など、多くのメリットをもたらします。適切な計画と業者選定により、予算内で安全にクラウド化を実現し、会社の成長を支える基盤を構築することができるでしょう。